くりっく365とは?
日本でFXが始まったのは1998年。この年、外国為替及び外国貿易法(通称・外為法)が改正され、証券会社や先物取引会社が取り扱いをスタートし、個人でもFX取引を行うことが可能になりました。その後、インターネット環境の整備等と共にFXに注目が集まり、多くの会社がFXを取り扱うようになりました。
しかし、一部の悪質なFX会社による証拠金の扱いや勧誘行為に関するトラブルが発生したことから、FX取引を規制する改正金融先物取引法が2005年7月に施行されました。それと同時に、東京金融取引所により上場されたFXの呼称が「くりっく365」です。
公正かつ健全で投資家に有利な価格提供の仕組み
くりっく365は公的な取引所取引ですから預け入れ資金は公的な取引所(東京金融取引所)によって保証されます。
また、取引価格はマーケットメイカーと呼ばれる世界有数の5社(ゴールドマン・サックス証券株式会社、ドイツ銀行、ドレスナー・クラインオート(ジャパン)リミテッド、 株式会社三菱東京UFJ銀行 、ユービーエス・エイ・ジー銀行 )が提供する価格を取引所が合成し提示されます。
その価格の中から最も安い売り価格と最も高い買い価格を抽出しリアルタイムで提供しています。そのため、投資家はその時点における最も有利な価格で取引を行なうことができることとなります。
このような仕組みの為、くりっく365は透明で公正性な価格で取引が可能なのです。
くりっく365を取り扱えるのは限られた会社だけ
くりっく365の取り扱いは、金融商品取引法と東京金融取引所の規則に基づく厳格な資格要件を満たした会社だけが取り扱うことができます。東京金融取引所の資格要件では、金融商品取引法よりも厳しい基準を設定しています。
また投資家の取引相手は取扱会社ですが、取扱会社の取引相手は金融取となり、間接的に金融取が全ての取引の相手方となります。
そのため、取扱会社が万一破綻しても投資家の建玉を決済することができ、金融取が認める場合には他の取扱会社へ建玉を移管することもできます。
取引所FXだけが認められている税制優遇措置
くりっく365の税率は所得に拘わらず一律20%となっています。通常の店頭FXでは課税所得金額が195万円以下の場合のみ15%とくりっく365より有利ですが、店頭FXの場合は給与所得などと合算した総合課税となり、最大50%の税率がかかる累進課税が適用されるので、所得が一定の額を超える投資家にとっては、くりっく365の税制が有利です。
また所得税を計算するときに、金先物といった商品先物取引や、TOPIX先物といった証券先物取引との損益を合わせて計上することができます。くりっく365で利益が出た場合でも、他の取引で損失が出ていれば両者の損益を通算することにより、節税ができます。
所得による税率(所得税+地方税)概算表 |
課税所得 |
申告分離課税 |
店頭取引(総合課税) |
195万円以下 |
20% |
15% |
330万円以下 |
20% |
695万円以下 |
30% |
900万円以下 |
33% |
1,800万円以下 |
43% |
1,800万円超 |
50% |
3年間の損失繰越控除が可能
くりっく365は取引で損失を出した場合、その年に控除しきれない損失額が発生したような時は、翌年以降3年間にわたって、くりっく365や他の取引所上場先物取引で発生した利益から控除することが出来ます。